応用化学と未来

応用化学と共に未来を創る

人類は化学の恩恵を得て文明をつくり発展してきました。例えば、火を燃やすこと、動植物に手を加え食べたり病気を癒やすことも、鉱物を溶かし混ぜて固めたりして道具をつくることも化学によるものです。科学的探求が進む時代となり、あらゆる現象、あらゆるものが、化学の法則として説明できるようになると、その法則を使い、自然には無かった画期的なものを大量につくれるようになりました。

化学は「ものづくり」の科学技術です。人類は化学を操りながら、よりよく生きるために重要な「もの」をつくってきました。例えば、火を燃やし鉱物を溶かし金属を手に入れました。植物や動物から抜き出した成分を病気の治療や服を彩る染料として使ってきました。

化学

科学的探求が進む時代となり、原子や分子の仕組みが明らかになると、化学の「ものづくり」は大きく進歩しました。衣料品、食品、住宅材料、医薬品、電子材料、自動車、道路(セメント等)など、いまや私たちの生活は化学製品に満ちあふれています。

このように高度に発展した先端工業化学技術を築いてきた一方で、化学は環境問題や人体を害する要因という負の側面も生み出してしまいました。いま化学に求められていることは、地球上の誰もが健康で安心な社会生活を営めるように、自然と調和した「持続可能なものづくり」に貢献することです。

応用化学

化学の課題は化学で解決する。例えば、物質材料生成のプロセスで排出される廃棄物とエネルギーを減らす化学反応や触媒を見つけること。生物の仕組みを模倣した素材開発やエネルギー抽出など、地球環境問題やエネルギー資源問題を解決しつつ、快適な生活を維持するための新たな機能を持つ物質(材料)開発を、ここ応用化学コースで一緒に取り組みましょう。

化学の面白さは、周期表にある100種類ほどしかない元素の組み合わせに無限の可能性があることです。元素を原子・分子レベルで組織的に配列することで、特異な機能を発現する物質(材料)を得ることができます。あなたが見つける未知なる組み合わせが未来を大きく前進させるかもしれません。

化学

博士となって、研究で社会貢献を

本コースの卒業生の96%が大学院に進学し、そのうち82%が修士課程を修了して就職しています。しかし、いま多くの企業が求めているのは研究ができる博士人材で、博士後期課程修了後の民間企業や大学・研究所への就職の道が大いに開かれています。修士修了で就職した人たちも社会人ドクター取得のために学び直す必要に迫られるほど、企業に入ってからの修士と博士の実力と評価の差は小さくありません。
実際に企業でプロジェクトチームを計画的に動かし、開発研究のトップで活躍している多くの人たちは、博士を取得しています。いまや「博士=大学の教員を目指す」だけではありません。世界で、トップ企業で社会の役に立つものづくりをしたい人、真に社会貢献をしたい人は、ぜひ博士取得に挑戦してください。本コースの教員、先輩が全力で応援します!

大学院進学 進路状況

参照: 「博士人材の未来を拓くウェブマガジン」に博士号を取得した先輩たちが就職した企業の状況を紹介しています。