圧力をコントロールすることで細孔内にナノ粒子を簡単に複合化
2022.03.27
触媒や電極材料などに利用できる金属や金属酸化物などの無機物質はナノ粒子としての多孔質材料の内部に複合化することで効率的に活用できます。しかし、多孔質材料の内部まで均一に担持することは難しく、高コストもしくは生産性が低い製造法が用いられることが多いのが現状です。そこで、我々は物質拡散性の高い気相にて無機物質源を多孔質材料の内部まで円滑に導入し、複合化する減圧液パルス化学気相析出(VLP-CVD)法を開発しました。本手法では減圧状態の高温の反応管に原料を液体のままパルス状に導入し、反応管内の圧力を変化させることで発生した原料蒸気を細孔内に円滑に拡散するため、径の小さなナノ粒子を均一に複合化することが可能です。本手法は気体での安定性が低い様々な原料も利用できることに加え、簡単な装置・操作により実施できるため、多様な無機物質の工業的な複合化方法として活用できることが期待されます。