バイオセンサーで重症疾病患者の治療に貢献
2022.03.27
病気の患者の重症度をベッドサイドで速やかに判定できるバイオセンサーを開発しました。このバイオセンサーは、患者の重症度の指標となる血液中のアデノシン三リン酸(ATP)と乳酸を同時に5分以内で測定します。今後、感染症をはじめ様々な重症患者の迅速かつ的確な診断と治療への応用が期待されます。これまで重症度診断は、多数の項目の検査結果が必要なため、リアルタイムでは行われていませんでした。それに対して、ATP値と乳酸値を用いる指標はその都度診断できます。しかし、このバイオセンサーができるまでは、それぞれ別の装置で測定するしか手段がなく、煩雑な操作が必要でした。このバイオセンサーには、ATPと乳酸の測定に必要な電極が集積され、マイコンが組み込まれているため、検査試薬を混合した血液試料を電極にのせさえすれば測定は自動で完了します。このバイオセンサーは、医療スタッフが現場で迅速に操作できるようにするため、無機化学、電気化学、生化学、エレクトロニクスの要素を駆使して検査手順を限りなく削減する工夫をしました。