肺へ選択的に遺伝子送達可能なナノカプセル
2022.03.27
mRNAやsiRNAなどの核酸を治療薬とする核酸医薬は、従来医薬品では治療が困難だった様々な遺伝子疾患を根治できる可能性を秘めており、低分子医薬と抗体医薬に次ぐ第三の医薬品として近年大きな注目を集めています。当研究室は本学薬学研究院との共同研究により、アミノ基で修飾した脂肪族ポリエステルを構成要素とするナノカプセルがmRNAを肺へ選択的に送達できることを見出しました。多くの場合、こうしたナノカプセルを血中投与すると肝臓で捕捉されてしまうため他の臓器へ送達することは非常に難しいとされています。一方、今回開発したナノカプセルは、標的化リガンドという特別な仕掛けを必要とせずに肺選択的な核酸送達を実現しています。今後、このナノカプセルを活用した様々な肺疾病に対する治療法確立が期待されます(現在、特許出願中)。