人類の健康を守る不斉水素化反応
2022.03.27
混み合った構造をもつ3-キヌクリジノン(ケトン)を効率的に(R)-3-キヌクリジノール(光学活性アルコール)へと水素化することができる、スピカ(S-PICA)というルテニウム触媒の開発に成功しました。こちらの分子マシンを用いても、10万倍量のケトンを4時間以内に還元できます。企業との共同研究で、540キロ規模の反応も達成し、実用化に成功しました。生成物である(R)-3-キヌクリジノールは尿失禁および頻尿などの治療薬として知られるソリフェナシンの鍵となる合成原料であり、すでに14トン以上製造し、人々の健康を守っています。