“レンチン”で化学プロセスの世界を変える
2022.03.27
炭素材料にヘテロ原子を原子状で導入した材料は、蓄電デバイスにおける電極反応や再生可能資源変換反応への利用が期待されています。安価で資源豊富な材料であるという長所があり注目されていますが、一方で、現在使われている材料に比べ、活性が低い、そして使用しているうちに性能が低下するといった問題があります。性能を向上させる方法の一つは高温で処理することです。ただ、普通に高温処理すると導入されたヘテロ原子が材料から抜け出てしまうなどの問題が生じます。皆さんの身近にある”電子レンジ”で使われているマイクロ波は、こうした材料を直接、選択的にそして高速に加熱することができます。私たちは、「化学工学」で学ぶ伝熱の観点からマイクロ波加熱に着目しました。そして、この方法の特徴を活かすことで、従来の加熱方法の課題を克服し、わずか数分の処理で材料の性能を大幅に向上することに成功しました。カーボンニュートラル実現にも期待されているマイクロ波の技術。マイクロ波を化学プロセスに利用する取り組みは、最近、世界中で本格的に進められています。あなたも”レンチン”で化学の世界を変えませんか?